AIが読み込んだ写真を解析し、該当すると思われる候補の上位から順に5つの品番を表示します
1つの壁紙とサンプル帳を目視しながら、何百・何千とある壁紙の品番を探し出す作業には限界があります。
建設業のDX化が課題と叫ばれる昨今、インテリア・内装業界の非効率な作業を解消する画期的なツールとして「かべぴた」は開発されました。
機械学習したAIがその場で壁紙の判定結果を表示するので、従来の制約に囚われず、生産効率性が向上します。
壁紙を探して補修することが多い
施工業者・職人の方
指定の壁紙を探して欲しいとよく依頼される
メーカー・工務店の方
オシャレな壁紙の品番を記録しておきたい
設計・デザイナーの方
今と同じような壁紙を探したい
不動産を管理する方
コマツ株式会社と同志社大学が共同開発した「自動テクスチャ識別プログラム」は、世界のあらゆる物体に存在する質感や色彩、凹凸など、個を形成する様々なテクスチャ(素材)を分析・データ化し従来の技術では判別が困難だった複雑かつ微細な差異から判別要素を特定し識別するニューラルネットワークを搭載しています。
この技術は地球上に存在する、あらゆるテクスチャの識別に応用可能です。
外部リンク:同志社大学 知的機構研究室(奥田正浩教授)
※1:特許出願中(特願2023-150356)
日本国内の建築物の大多数が、壁面の仕上げ材に塩化ビニル素材の壁紙(クロスとも呼ばれます)を貼っています。
この「塩化ビニルクロス」は、印刷技術の進化によりデザインや機能性が豊富なところが人気で、織物や漆喰、木目のデザインなどの大変細かいテクスチャの違いまで印刷で再現できるようになりました。
しかし、貼られている壁紙から同じ壁紙を探す逆引きの作業は、商品数の拡大により至難で遠大な作業となりました。
そんなインテリア業界の課題を解消するために「かべぴた」は誕生しました。
建築用の壁紙は、住宅や事務所、店舗などの壁面を飾るための仕上げの内装材として使用されます。
一般的には、普及品壁紙と一般品壁紙の2つのカテゴリに分けられます。この2つの他には、特殊壁紙も存在しており、それぞれの特徴をご紹介いたします。
かべぴたは普及品壁紙のみ対応しております。現在、一般品壁紙の識別は対応しておりません。
シンプルな白色をメインにデザインされたビニール壁紙(塩化ビニル素材)で、量産壁紙、量産クロスとも呼ばれます。
お手頃な価格で、賃貸物件や一般住宅でよく使用されています。デザインは織物調や石目調、一部のカラーバリエーションや木目などのパターン柄があります。各メーカーのサンプル見本カタログには、およそ100点前後の商品が収録されています。
色彩、パターン、質感など、多様な特徴を持つビニール壁紙です。1000番壁紙、1000番クロスとも呼ばれます。
キャラクターや花柄などデザインのバリエーションが豊富にあります。施工性を重視したリフォーム壁紙や、防火性を重視した無機質壁、消臭性や調湿性など機能壁紙も一般品壁紙に含まれます。各メーカーのサンプル見本カタログには、およそ1000点前後の商品が収録されています。
特殊な素材で形成された壁紙です。和紙や織物、オレフィンなどの素材でできた壁紙もあります。
また、海外メーカーとの契約による輸入壁紙や、有名デザイナーによる特殊なデザイン壁紙もあります。国内では他に、好きな柄や大きさをインクジェット印刷でオーダメイドできるデジタルプリント壁紙も含まれます。
どれも価格は高価ですが、こだわりのある壁紙です。
※本文章は2023年12月15日(金) ザ・ガーデンオリエンタル大阪において催された「かべぴた」新商品発表会の冒頭挨拶を再編したものです
お忙しい中、当ページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
コマツ株式会社、代表取締役 小松と申します。
私たちが開発したアプリ「かべぴた」について、ご紹介させていただきます。
まず、私ごとではありますが、今プログラムの開発途中、2022年末に大動脈解離A型を発症し、数分間、心停止しましたが、蘇生。
人工心臓、人工大動脈、人工心臓弁置換手術により一命をとりとめました。
医師からは、半身麻痺、片肺不全、一生、杖、酸素ボンベは手放せないと言われましたが、今、補助器具も無く皆様に、ご挨拶できているのは、奇跡としか言いようがありません。
その節は、関係皆様には、多大なるお支えいただき、ありがとうございました。
「かべぴた」は、普及品壁紙を撮影するだけでメーカーや品番を識別できるプログラムで、スマーフォン版ですら、90%を超す精度を実現しております。
この基幹プログラムは、同志社大学、奥田ゼミとの共同研究によって生まれました。
かべぴたの原型の企画書を書いたのは2016年。インテリアに携わる方の多くの声から生まれました。
完成すれば、作業時間を飛躍的に短縮できる。それが解っていながら、数々の挑戦者を打ち砕き、技術的に不可能とされていたものです。
社員がとうに帰った事務所で日が変わるまで企画書を作成していました。
たった一人のスタートでした。
その時に書いた、今はくしゃくしゃになった、他の沢山の没原稿もわたしにとっては「かべぴた」と同じくらい最高の宝物です。
わたしは「かべぴた」の開発の中で、多くのことを学びました。
現在、世界はチャットGPTなどの生成AIや、ARやVRなどのバーチャル技術などが非常に注目されています。今回、ご紹介する「かべぴた」の基幹プログラムは、どちらかというと、世界のトレンドとは違った方向の地道なプログラムです。しかし、地道な日々の積み重ねの中から生まれる革新こそが日本人ならではの創造を生むのでは無いかと、私は感じています。
わたしが今回の研究で、もっとも学んだことは挑戦することの大切さです。
特に若い世代には、自分を、社会をあきらめずに、カタにはめずに、挑戦してほしいと願います。
「かべぴた」の開発は極めて成功の可能性の低い挑戦でした。
奥田教授は当初「可能性は50%、それでも挑戦しますか?」とおっしゃられました。
当社は、とてもとても小さな会社です。
中小企業の経営状況からすると、この挑戦は間違った判断だったのかもしれません。
わたしは奥田教授の手をとりました。
とても今日という日が迎えられるなんて想像できない二人の船出でした。
挑戦に大切なのは、覚悟と執念。そして感謝です。
今、なにかを理由にあきらめるなら、結果がどうあれ、今後の人生、ずっと後悔し続けるだろう。死ぬ時まで後悔するだろう。という想いから、
誰が何を言おうが、体が壊れようが、何かが壊れようが、多くの誰かの未来がこれで良くなるなら、変えられるならという覚悟。
例え中小企業でも、このようなビジネスのモデルケースも可能であると示しておく、ここにインテリア業界の、のちに続く者たちへ一里塚を築いておく、という執念。
そして感謝。
道の過程で、必ず様々な困難、苦難が降り注いできます。
理解者、協力者が少なく、否定的な人、離反者は増え、孤独にさいなまれる時もあります。
折れて日和って多数に紛れ、列に並ぶ方が楽だ。と考える時もあります。
昨日という安全な日を繰り返すために今日を、明日を、切り売りする方がマシと思う時もあるでしょう。
己を正当化する為に、自分に言い訳をして、周りを否定して、ずるく上手く立ち回りたい時もあります。
そんな苦悩は、挑戦者だからこそできる経験なのです。誰もが経験できることではないのです。
誰かを、何かを、否定し、おとしめても、自分が上がった訳ではないのです。
そんな時間があるなら、今の自分にできることを一つ一つ数えてみてください。
冷静に周りを見回し、否定的な事象すら、情報の一つとして分析し、全てに感謝を忘れず、自分を信じ挑戦を続けること。
その苦悩すら愛しく感じてください。
感謝を忘れなければ、願いの花は咲かずとも、あなただけの花が、裏庭にひっそり咲くことでしょう。
スタートは小さな冒険でもかまいません。今日の帰り道、いつもと違う道を通って帰るでもかまいません。食べたことのないクレープ屋さんで買い食いするでもかまいません。
このアプリリリースが、あなたが未来、立ち上がるきっかけの一つにでもなれば。と思います。
インテリア業界や建築業界だけでなく、多くの業界において非効率な作業、危険な作業がまだまだ山積しております。
「かべぴた」及び、自動テクスチャ識別プログラムが、今後の皆様の仕事や生活に役立つと確信しております。
しかし、「かべぴた」は、生まれたばかりのヒナのような存在です。皆様の手で育て、見守っていただくことで、必ずや大空へ羽ばたくことができると信じています。皆様のお声が「かべぴた」を育てることになります。
賞賛でも、叱咤でも、たくさんのお声がいただけることを願っております。
この夢のような話にのって、最後まで船を降りずにいてくれたことを、あなたと知り合えたことを、死ぬまで神様に感謝します。
そして、何より、家族に感謝したいと思います。特に、私の妻には、深く感謝を伝えたいです。
それぞれの事情で、この船から去った人たち。断腸の想いで、この船から降りた人にも深くお礼を申し上げます。
本日は、駄文を最後まで読んでいただきありがとうございます。
「かべぴた」により、あなたの生活のナニカが良い方向に変わる事を願っております。
コマツ株式会社
代表取締役